くらわんか碗などくらわんか磁器についてお話します。
長年骨董屋をやっていますと、くらわんかの好きなお客さまがたくさん来られます。
たいがいの方は、くらわんかだけを蒐集されているわけではなく、御自分の飯茶碗であったり、お酒を飲むぐい飲みだったり
客人が来たときの酒の肴を入れるナマス皿だったりと実際に使われていることが多いですね。
どれも頑丈なつくりで、そこには野暮で素朴な図柄が描かれてあり、それがなんとも心を和ませる魅力があると口をそろえておっしゃいます。
「くらわんか」は、江戸時代後期今の枚方付近を通う三十石船『くらわんか船』で酒や飯を入れて用いられた下手な器を総じてそう呼ばれて
います。
使用後は、川の中に投げ捨てられたといわれています(川底からは、多くの磁器が出土しています)
が、当時は高価で貴重な磁器をはたして投げ捨てられたのだろうか?
また、以前は田舎の裕福な家からもくらわんかがウブで出てくることも多かったことからも素性が明らかになっていません。
最近は、気に入った優品がなかなか手に入りにくくなりましたがお気に入りの一点を手にしていただきたいと思っています。
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